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【大分市の歯医者】エムドゲインとは?歯周組織再生療法に使われる薬剤を解説

歯周病が進行すると、歯を支える骨(歯槽骨)や歯根膜などの歯周組織が失われていきます。
一度溶けてしまった骨は通常の治療では戻らないとされていましたが、特殊な薬剤を用いることで組織の再生を促せる可能性があることがわかってきました。
そのひとつが「エムドゲイン」です。
この記事では、エムドゲインの成分や仕組み、治療の流れについて解説します。

 

エムドゲインとは

 

エムドゲインは、歯周病によって失われた歯槽骨や歯根膜などの歯周組織を再生させることを目的とした薬剤です。
スウェーデンのビオラ社が開発し、1995年にスウェーデンで臨床応用が始まりました。
日本では1998年に厚生労働省の認可を受け、現在は世界44カ国以上で使用されています。
エムドゲインが登場する以前、進行した歯周病に対しては感染部位を除去する外科手術(フラップ手術)が中心でした。
この手術は炎症を抑える効果はありますが、溶けてしまった骨を回復させることは難しく、歯根が露出して知覚過敏になりやすかったり、歯ぐきが下がって見た目が変わったりするという課題がありました。
エムドゲインは、こうした従来治療の限界を補う目的で活用されています。

 

エムドゲインの成分と再生の仕組み

エムドゲインがどのように歯周組織の再生を促すのか、主成分とそのメカニズムを順に見ていきます。

 

主成分はエナメルマトリックスタンパク質

エムドゲインの主成分は、「エナメルマトリックスデリバティブ」と呼ばれるタンパク質です。
幼若豚の歯胚(歯の種のようなもの)から抽出・精製して作られており、子どものころに歯が生えてくるときに重要な役割を果たすタンパク質と同じ性質をもっています。

 

再生が促される仕組み

このタンパク質を歯根の表面に塗布すると、歯が発生するときと同じような環境が再現されます。
塗布後、タンパク質は歯根表面で不溶性のマトリックスを形成し、2〜4週間その部位にとどまります。
この間に周囲の細胞が損傷部位に引き寄せられ、セメント質・歯根膜・歯槽骨の再生が段階的に促されていきます。
また、エムドゲインには上皮細胞が歯根の方向へ入り込むのを抑制する作用があります。
上皮細胞が先に入り込むと、本来再生されるべき歯周組織の形成が妨げられますが、この抑制作用によって歯周組織がより適切に回復しやすくなると考えられています。

 

エムドゲインで期待できる効果

エムドゲインを用いることで、どのような変化が期待できるのかをまとめます。
歯槽骨が再生されることで、ぐらついていた歯が安定しやすくなります。
歯周ポケットが浅くなり、プラークや歯石がたまりにくい形態に改善されることで、歯周病の再発リスクを抑えやすくなります。
また、骨が再生されると歯ぐきも盛り上がってくるため、歯が長く見えるといった見た目の変化も改善されることがあります。
ただし、すべてのケースで同じ効果が得られるわけではなく、再生の程度には個人差があります。

 

エムドゲインの適応条件

エムドゲインはすべての歯周病に使用できるわけではなく、骨欠損の形状や深さによって適応が判断されます。
主に、歯周ポケットの深さが6mm以上あり、レントゲン写真で4mm以上の垂直性骨欠損が確認できる症例が適応の目安とされています。
垂直性骨欠損とは、特定の部位の骨が縦方向に失われた状態のことです。
骨が全周にわたって水平に失われている場合(水平性骨欠損)は、薬剤が定着しにくいため適応外となることが多いとされています。
根分岐部病変や歯肉退縮のケースに対応できることもあり、この点は同じ歯周組織再生薬であるリグロスとの違いのひとつです。
適応かどうかは、歯周ポケットの深さの測定やCT・レントゲンによる骨の状態の確認など、事前の詳しい検査をもとに判断されます。

 

治療の流れと術後の注意点

エムドゲインを使った治療は外科処置を伴うため、術後の過ごし方も回復に影響します。
治療はまず部分麻酔をかけたうえで歯ぐきを切開するところから始まります。
露出した歯の根(歯根)に付着したプラーク・歯石・感染した組織を丁寧に取り除いた後、歯根の表面が血液や唾液で汚染されないように管理しながらエムドゲインを塗布します。
その後、歯ぐきを縫合して処置は終了です。
手術時間はおおよそ1時間前後が目安で、術後2〜6週間ほどで抜糸を行います。
術後は治療部位を清潔に保ちながら安静にすることが大切です。
手術後しばらくは手術部位への歯ブラシや歯間ブラシの使用を控え、歯科医院から指示されたうがい薬を使うことが一般的です。
また、喫煙は血行を悪化させ、治癒を遅らせるだけでなく治療効果を低下させる可能性があるため、禁煙が強く勧められます。
骨の再生にかかる期間には個人差があり、レントゲン写真上で確認できるようになるまで半年以上かかることもあります。
術後も定期的に歯科医院を受診し、回復の経過を確認することが大切です。

 

費用と保険適用について

エムドゲインを希望する前に、費用と保険の取り扱いについて把握しておくことが大切です。
エムドゲインは現在、保険適用外の自費診療となっています。
費用は歯科医院によって異なりますが、1本あたり5万円〜10万円程度が目安とされています。
複数の歯に処置が必要な場合は、その本数に応じた費用がかかります。
同じ歯周組織再生療法であるリグロスは保険適用であるため、費用負担を重視する場合はリグロスが選ばれることもあります。
どちらの治療法が適しているかは骨欠損の状態によって異なるため、歯科医院でしっかり検査を受けたうえで相談することをおすすめします。

 

エムドゲインは歯周病で失われた組織の回復を促す薬剤

エムドゲインは、幼若豚の歯胚から抽出したタンパク質を主成分とする薬剤で、歯周病によって失われた骨や歯根膜の再生を促します。
副作用の報告がなく、世界で長年にわたる使用実績があります。
ただしすべての症例に適用できるわけではなく、骨欠損の形状などによって適応かどうかが異なります。
歯周病が進行していてお悩みの方は、まず歯科医院で現在の状態を確認することをおすすめします。

この記事の監修医師

甲斐歯科医院 院長

医師 甲斐大嘉

経歴・資格・所属学会
  • 日本先進インプラント医療学会会員
  • 日本口腔インプラント学会会員
  • 近未来オステオインプラント学会認定医
  • 日本顎咬合学会会員
  • JUC正会員

甲斐歯科医院は、親子3代続く地域密着のクリニックです。
患者様の声にしっかりと耳を傾け、お一人おひとりに最適な治療プランを提案させていただいています。

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